【長編】Sweet Dentist

真っ赤なもみじの絨毯が敷き詰められた公園を、二人で歩いた結婚式の帰り道。

『すげぇな。まるでバージンロードみたいじゃねぇ?』
と、いたずらっ子のように響さんが瞳を細めた。

『誓いのキスのリハーサルしようか?』
と言って触れた柔らかな唇。

優しい微笑みが、大会前の不安も焦りも全部吹き飛ばしてくれた。

少し前まで届かない想いが苦しくて、何も作ることも出来なかった。

だけど今は、こんなにもお菓子への愛情が溢れてきて
その全てを注ぎ込むように作りたいものがある。

これまでにないほどに、身体の奥底から力が込み上げて来るのが解る。

これはきっと彼が与えてくれるものだと思う。