【長編】Sweet Dentist

開始の合図を待つ選手達の緊張がフロアーに漂う。

ライバル達のレベルの高さは相当なもので、その気迫は威圧されるものがある。

ピンと張り詰めた空気の中、雰囲気に呑まれそうな弱い自分を叱咤して瞳を閉じると神経を集中していく。

瞼の裏にあたしだけの魔法使いが微笑んだ。


― 俺がいればお前は無敵ってことだ。どんな強運でも引き寄せられる ―


ホンワリと温かい気持ちが込み上げてきて、不安が徐々に消えていく。