【長編】Sweet Dentist

デコを押さえ蹲った宙を鼻でせせら笑うと、すぐにガラスにへばりつき千茉莉の姿を捜した。

千茉莉は俺のいる位置から見ると前列の中央にいた。

両脇に各二組のライバルに囲まれ、張り詰める空気の中、千茉莉は微動だにせず瞳を閉じ、精神を統一していた。


ウェディングケーキを作っていたときの集中力を思い出す。


この様子なら大会が終わるまで千茉莉が俺の存在に気付く可能性は少ないだろう。と…

ホッとしたような

残念なような

複雑な気持ちになった。