【長編】Sweet Dentist

思わぬ宙の申し出に一瞬躊躇するも、やはり応援するならVIPルームへ行きたいのは本音だ。

ここはプライドを捨てて、宙に頼むしかねぇか。

「…悪いな」

出来れば聞こえなければ良いと思いつつ、小さな声でボソッと言ったのだが、宙にはシッカリ聞こえていたようで、ニヤッと笑って見せる様子が何気に嬉しそうだ。


くっそー。

俺は嬉しくないっつーの。


それでも宙がいなければVIPルームで応援することは出来ないのだから、しょうがない。

『こっちだ』

と仕草で示すドアの前で宙がスタッフに2枚のパスを見せた。

…え? 

コッソリ入れてくれるって事じゃないのか?


つーか、何でこいつ2枚もパスを持っているんだ?