【長編】Sweet Dentist

「…それは…遠慮しておく。ほら、ご老体にムリをさせるのはどうかと…」

あたしのその言葉にピクリと響さんの右の眉が上がった。

あぁ、気に入らない事を言われた時のこの人の癖だ。

…あたし、ひょっとしてスゴクまずい事を言ってしまったのかもしれない。

身の危険を感じて身体を離そうとするけれど、ニッコリと綺麗な微笑を称えた彼は、ガッシリとあたしの腰を掴んで離さない。

マジでっ…スッゴイ怖いんですけどっ?

その鮮やか過ぎる綺麗な微笑みは絶対に何かを企んでいるわよね?

「そんな生意気な口は塞ぐに限るな」

そう言うなりグイッ☆と引き寄せられて重ねられる唇。

貪るような激しいキスに一気に脳内が沸点に達してしまう。

頭の中が真っ白になって身体から力が抜けていくと、響さんは嬉しそうに笑ってキスを軽いものに変えていく。

…あぁもう、完全に遊ばれているわよね、あたし。

悔しいよぉ。

いつだって響さんの思う壺なんだもん。