「千茉莉…俺さ…」
「響先生は紅茶が好きなのね。」
「え?」
気持ちを確かめようとした矢先に、出鼻を挫かれた思ってもみない質問だった。
「だって、先生はいつもコーヒーじゃなく紅茶でしょ?
あのホテルで会った時も聖良さんの所でも…今だって迷わず紅茶を選んでる」
千茉莉に言われて無意識に紅茶を選んで渡した事に気付く。
「千茉莉は紅茶が苦手か?」
「ううん好きよ。…ただ先生の場合は紅茶が好きって言うだけじゃない気がしたの。ごめんなさい変なこと言って」
思わず絶句した。
千茉莉は人の心に敏感な娘だって杏ちゃんが言っていたのを思い出す。
凄いな…。
確かに今までも千茉莉のカンの良さというか、人の心の傷を敏感に察知できるというか、そんなものをいろんな事から感じていたけど、まさかここまでとは思わなかった。
これも人を救う才能の一つってことなのかもしれないな。



