【長編】Sweet Dentist

千茉莉に触れたときの頬の冷たさに驚いた。

とにかく早く温めてやらなければと思い、自動販売機で温かい飲物を買って千茉莉のところに急いで戻る。

ベンチに座り胸の前で指を組む彼女の姿は、何かに祈りを捧げているようにも見える。

どこか神々しくて

とても不安定で

今にも消えてしまいそうな儚さがあった。

今すぐにその風景の中に溶け込んで消えてしまいそうで…

二度と俺の手の届かない所へ行ってしまう気がして…

不安を打ち消すようにわざと明るく声をかけた。