【長編】Sweet Dentist

悲しげな表情(かお)
それでもあたしにがんばれって言ってくれた宙。
ちゃんと告白しないと不完全燃焼して忘れる事も出来なくなると言ったあの台詞はあたしの胸を抉った。

そうだね、ちゃんと自分の気持ちにケリをつけなくちゃいつまでも引きずってしまう。

そんなのはイヤだ。


宙も初恋の人もあたしに進むべき道を示してくれた。

あたしは目の前にある道から逃げるわけにはいかないのよ。


そう、それがどんなに辛い現実でも…。


秋の夕暮れの冷たい空気を胸いっぱいに吸い込む。
ゆっくりと息を吐いて、身体の中に溜まったもやもやした想いを吐き出してみると、冷たい大気に息が白く染まった。
いつの間にか季節はすっかり秋が深くなったのだと改めて感じる。

冷たい新鮮な空気が身体の中まで浸透して少し心が軽くなったように感じて何度も深呼吸を繰り返した。

響先生の治療を初めて受けた衝撃の出会いから1ヶ月。

それなのにもう随分と時間が経ってしまったように感じる。

響先生が戻って来たら勇気を出して言おう。

たとえあなたに恋愛対象としてみてもらえなくてもいい。

あなたを好きな気持ちは止められないから…。

一度だけ告白する事を許して下さい。



響先生…あなたが好きです…