「ああ、足を捻ってしまったみたいだね。誰か連れはいないの?送ってあげようか」
「いいえ、連れはいるんですけれど…」
泣き顔を見られたくなくて逃げてきましたとは言えなくて曖昧に微笑んで見せるとその人はあたしを抱いたままさっき逃げ出してきた会場の方へと歩き出した。
怪我をした足では振り切って逃げ出す事も出来ず仕方なく大人しく抱かれて運んでもらう。
「あの、ありがとうございます。あたし神崎千茉莉って言います」
「千茉莉ちゃん?…かわいい名前だね。俺は…」
「千茉莉!おまえ何しているんだよ」
ビクッ!
響先生の声に体が硬直する。
涙の痕に気付かれたくなくて顔を背けると、その人に顔を埋めるような格好になってしまったけど、涙を見られることだけはしたくなかった。
目じりに僅かに残る涙を慌てて拭いて、深呼吸してから、その人に降ろしてくれるように頼んで平静を装ってみせた。
怒ったような不機嫌な顔で駆け寄ってくる響先生。
あたしが何も言わずに突然会場を出て行ったから、心配したのかもしれない。
ううん、さっき逃げ出した事を怒っているのかな。
それでも、どんな理由であれ、あたしを気にかけて駆け寄ってきてくれると思うと、愛しさが込み上げてくる。
どうしたらいいの?
あなたのことがこんなにも好きで心が張り裂けそうなのに
この想いをどうしたらいいのか分からない。
苦しいの。あなたが好きで好きで…この想いに心が砕けてしまいそう。
お願い。
あたしにこれ以上優しくしないで…。
「いいえ、連れはいるんですけれど…」
泣き顔を見られたくなくて逃げてきましたとは言えなくて曖昧に微笑んで見せるとその人はあたしを抱いたままさっき逃げ出してきた会場の方へと歩き出した。
怪我をした足では振り切って逃げ出す事も出来ず仕方なく大人しく抱かれて運んでもらう。
「あの、ありがとうございます。あたし神崎千茉莉って言います」
「千茉莉ちゃん?…かわいい名前だね。俺は…」
「千茉莉!おまえ何しているんだよ」
ビクッ!
響先生の声に体が硬直する。
涙の痕に気付かれたくなくて顔を背けると、その人に顔を埋めるような格好になってしまったけど、涙を見られることだけはしたくなかった。
目じりに僅かに残る涙を慌てて拭いて、深呼吸してから、その人に降ろしてくれるように頼んで平静を装ってみせた。
怒ったような不機嫌な顔で駆け寄ってくる響先生。
あたしが何も言わずに突然会場を出て行ったから、心配したのかもしれない。
ううん、さっき逃げ出した事を怒っているのかな。
それでも、どんな理由であれ、あたしを気にかけて駆け寄ってきてくれると思うと、愛しさが込み上げてくる。
どうしたらいいの?
あなたのことがこんなにも好きで心が張り裂けそうなのに
この想いをどうしたらいいのか分からない。
苦しいの。あなたが好きで好きで…この想いに心が砕けてしまいそう。
お願い。
あたしにこれ以上優しくしないで…。



