【長編】Sweet Dentist

「龍也が言ってたぜ。電話で顔が見れないのが残念なくらい楽しそうに千茉莉ちゃんのこと話してたってな。女の事であんなに嬉しそうな響は初めてだってさ」

「龍也のヤツ仕事が忙しすぎて頭がおかしくなったんじゃないか?幻聴でも聞いたんだろうよ」


「その言葉。すっげぇ聞き捨てならねぇな。響」


背後から聞こえた冷たい低い声にビックリして振り返ると、そこには聖良さんと共に長身の眼鏡をかけた、これまた綺麗な男性が立っていた。

…この長身の美形3人がいるだけですごい迫力だ。
リサイタル会場のロビーの視線を一手に集めている。

あたし、ここにいていいのかしら?すごく場違いな気がするんだけど。

「千茉莉ちゃん主人を紹介するわね」

「今晩は、佐々木龍也です。響から色々聞いているよ」

「初めまして佐々木さん。何を聞いているんですか?どうせ生意気とかウルサイとか、ろくな事じゃないと思うんですけど」

「龍也でいいよ。…俺にしたらあれはノロケだと思うんだが…。響が女の子のこと自分からあんなに楽しそうに話すなんてありえねぇ事だからな」

ノロケ?龍也さんが聖良さんや暁さんに響先生があたしを好きだって誤解するような事を教えたのかしら?

訳のわからないといった顔をしているあたしに響先生が眉間の皺を益々深くして苦々しい顔で割り込んできた。