「ちょっと先生。あたし先生にそんなの買ってもらう理由がないわ。どういうつもりなの?」
あたしの質問に響先生はちょっと迷ってから二人で話したいからと聖良さんに奥の小部屋を使わせて欲しいと頼んだ。
4畳半くらいの小さな事務所を兼務したような小部屋の片隅に座ると、聖良さんが二人分の紅茶を持ってきてくれる。
狭い部屋はすぐに花の様な紅茶の香りでいっぱいになった。
聖良さんが運んでくれた紅茶を飲んで一息ついたところで響先生は言葉を選ぶように話しはじめた。
「実はおまえに今夜付き合って欲しい所があるんだ」
「あ…。それってさっき車の中で言いかけた事?」
「ああ、…さっき亜希の事話したよな」
ズキン…。
「はい。先生の初恋の人でしょう?ピアニストになるために留学した」
「そうだ。そしてあいつはプロのピアニストになったんだ」
「わあっ!すごいじゃないですか」
胸は痛んだけど、亜希さんはきっと凄く努力して夢を掴んだんだろうと思うと、同じように夢を持って留学を希望しているあたしにとっては尊敬に値する人だと素直に思う。
「亜希が帰ってきたんだ。今日、リサイタルがある」
―― 亜希さんが帰ってきた…?
あたしの質問に響先生はちょっと迷ってから二人で話したいからと聖良さんに奥の小部屋を使わせて欲しいと頼んだ。
4畳半くらいの小さな事務所を兼務したような小部屋の片隅に座ると、聖良さんが二人分の紅茶を持ってきてくれる。
狭い部屋はすぐに花の様な紅茶の香りでいっぱいになった。
聖良さんが運んでくれた紅茶を飲んで一息ついたところで響先生は言葉を選ぶように話しはじめた。
「実はおまえに今夜付き合って欲しい所があるんだ」
「あ…。それってさっき車の中で言いかけた事?」
「ああ、…さっき亜希の事話したよな」
ズキン…。
「はい。先生の初恋の人でしょう?ピアニストになるために留学した」
「そうだ。そしてあいつはプロのピアニストになったんだ」
「わあっ!すごいじゃないですか」
胸は痛んだけど、亜希さんはきっと凄く努力して夢を掴んだんだろうと思うと、同じように夢を持って留学を希望しているあたしにとっては尊敬に値する人だと素直に思う。
「亜希が帰ってきたんだ。今日、リサイタルがある」
―― 亜希さんが帰ってきた…?



