【長編】Sweet Dentist

返事を渋って悩んでいると、聖良さんが困っているあたしを見かねたのか『考えておいてくれない?』と言ってくれた。

本当に聖良さんって綺麗で優しい人だ。

もし、自分にその力量があるのなら、あたしに出来る最高のウェディングケーキをどれだけでも作ってあげたいと思える女性だと思う。

大学を卒業してすぐに結婚された聖良さんは、ご主人の龍也さんの都合で籍は入れたものの結婚式まではなかなか出来なかったそうで、ようやく今月結婚式を挙げることになったそうだ。

そんな記念すべき結婚式のケーキをあたしなんかに任せるなんて…

聖良さん後悔はしないんだろうか。

ご主人だってまさかあたしみたいな高校生にケーキを頼むなんて、思ってもいないと思う。

響先生にそう訴えてみたけれど、龍也なら大丈夫だとアッサリあたしの意見は聞き流されてしまった。

「あいつの事は自分の事のようにわかるよ。なんせ20年以上も親友やってんだ」

その言葉に思わず絶句する。


…あたしが生まれる前からじゃない。


こんな時まで年齢差を感じてしまって凹んでしまいそう。

12才も違うんだから当たり前なんだけど…。

やっぱり自分とはずっと遠い世界にいる男性のように思えてしまう。

先生の隣りには、聖良さんとか亜希さんとか、大人の女性が似合うんだろうな。

聖良さんと話す響先生が凄く絵になっていて…
ふたりがそんな間柄じゃないってわかっているのに心が騒いで目を背けたくなってしまう自分がいた。



つまらない嫉妬…。



ばかね。こんなだから子どもだって言うのよ。