【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

結局あの後、散々美奈子先輩にあれこれ突っ込まれては龍也先輩があたしの代わりに答えるといった会話が延々続けられて、まともな会議もしないで終了してしまった。

あたし何しに行ったんだろう?

美奈子先輩はどうして、龍也先輩が可哀想だって言ったんだろう。

あたし、何か悪い事しているのかな

龍也先輩と付き合い始めても、その…キスをしたり、キスマークを付けられたりと少しは進展があったものの、正直その先の事を聞かれると困ってしまう。

漫画やテレビのラブシーンではシーツで隠れていて見えない部分で実際に何が起こっているのか、あたしはまだ知らなくて…。最近はそれがいけないことのように思えて不安になってくる。
だからと言って自分から誰かに聞くわけにもいかなくて…。

おせっかいなクラスメイトたちも一時期教育がどうとか言っていたけれど、恥ずかしくてまともに話を聞けなかったあたしにサジを投げてしまった。

そのうち、龍也先輩と付き合いだしたから、みんなも龍也先輩に教育を委ねるとか何とか言っていて最近は何も言わなくなったのは助かるんだけど。

でも、しょっちゅう言われるの。ちゃんと龍也先輩に教えてもらいなさいよって。

……冗談でしょう?だって龍也先輩には…聞けないよ。ヤッパリ…。

恥ずかしいのもあるけれど、あまりに無知で先輩に呆れられちゃったりするんじゃないかって凄く怖いの。先輩に嫌われちゃったりしたら…どうしよう…。

さっき美奈子先輩が教えてあげようかって言ってくれた時、本当はあたし的にはお願いしたいくらいだった。


だから、龍也先輩が席を外した時に、美奈子先輩にそっと耳打ちしたの、「お願いします」って…

美奈子先輩は少し驚いていたけれど、くすっと笑って「佐々木君には絶対ナイショよ?」と綺麗にウィンクして笑った。

―――明日の放課後でいい?

明日の放課後、一緒に帰れないこと龍也先輩になんて言い訳したらいいんだろう