「せっ…先輩っ!!」

もう、顔だけじゃなくて耳も首もタコみたいに真っ赤で湯気が上がっているんじゃないかと思う。気のせいか指の先までピンクに染まってるみたい。

「なんだ、一応少しは進展してるんじゃないか。よかったじゃん」

…響先輩、何でそんなに楽しそうなの?

「少しずつ教えてって…何だかペットでも飼い馴らしてるみたいな言い方だな。」

…暁先輩は呆れた様にあたしを見てるし…あたしってペットの調教並みなの?

「ん?暁、羨ましいのか?可愛いペットだろ?」

龍也先輩はそう言っていきなりあたしを後ろから抱きしめた。

「杏ちゃんにはこ~んな事もできないんだろ?さとるクン?」

羨ましいだろ~♪と嬉しそうにあたしを抱きしめたまま見せ付けるように頬にキスをしてくる。
みんな見てるんですけどっ!!

「たたたっ龍也先輩っ!止めて下さいよぉ。恥ずかしいです。」

「ん?だめ、こいつらに見せ付けておく。聖良に余計な事教えないように、俺がちゃんと教育してるって教えとかなきゃ、どんなおせっかいするかわからねぇからな。」

「だからって、こんな所で抱きしめなくたってっ…。」

「あ、そうか?じゃあ、誰もいなければ良いんだ。そうかそうか」

そう言って先輩はヨシヨシと頭を撫でてくる。




もうっ。…そう言う問題じゃないんだってばぁ。