気がつくと夕立はいつの間にか止んでいて、雲の切れ間から細い太陽の筋がいくつか光のオブジェを作っている。

「あ、先輩。虹ですよ。すご~~い。」

雨上がりの空に光を受けた大きな虹が掛かっていた。

空を仰ぎ嬉しそうに笑う聖良の横顔を見て心が和む。

お預けを食らってもやっぱり聖良のこの笑顔を見られるなら。我慢できるかな…



あと、どの位我慢すればいいんだろう。俺。



雲の切れ間がどんどん広がり、虹が浮き上がっていく。




虹って綺麗だけど条件が重ならないと絶対に完璧に綺麗には出来ないんだよな。


ぼんやりとそんなことを思い出す。


条件が重なって初めて生まれる綺麗なもの…


まるで真っ白な今の聖良みたいだと思った。


聖良をいつか俺の手でこの虹みたいに綺麗な色の女にしてやりたいな。

真っ白で何色にも染まらない聖良。

いつか最高に綺麗な女にしてやるよ



隣で虹に感動して胸元が肌蹴ていることも忘れてはしゃぎまくる聖良。


聖良が虹になるにはかなりの時間と忍耐が必要だな


俺の超人的な理性も、聖良の殺人的な天然の前には脆くも崩れ去ってしまうからなあ。



俺はこれから先の長い道のりを考えて溜息を吐き出す。



後、どの位待てばいいのかな?俺



Step3 Fin