【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

「ガリガリと壁で爪砥いでんじゃねぇよ。壁がボロボロになるだろうが。だいだいおめ~うるせぇんだよ。イイトコ邪魔しやがって。」

……龍也…今夜は真冬並みに気温が下がるってさっきニュースでやってたの忘れてないか?

「…っんだよ?その寒そ~な顔は。いつだって外をほっつき歩いてるくせに聖良がいる時はここぞと帰ってきやがって。聖良にちょっかい出すなっつーの。」

……嫉妬かよ?馬鹿かこいつは。猫(オレ)に嫉妬してどうするんだよ?

「って事でおまえ2~3日帰ってこなくてもいいし。」

マジかよ?日中ならまだしも夜に外に出されるのは辛いぜ?今夜はすげ~寒いんだぞ?

「ああ、そうだ。おまえに聖良からプレゼントがあるんだった。」

……聖良さんからプレゼント?う~わ~♪やっぱり聖良さんって優しいなぁ。

そう思って浮かれている俺をいきなり抱き上げるとなにやら布キレのようなものを俺に巻きつけ始めた。
なんだなんだこれは???

「聖良が古くなったトレーナーでおまえに服を作ってくれたんだよ。ほら犬が服着て散歩してんだろ?あんなヤツをおまえにってさ。聖良って優しいだろ~♪」

龍也…目がハートになってるぞ?

「おまえがいっつも夜になると出かけるから寒いだろうって作ってくれたんだぞ。ありがたく思えよ。ったく、アッシュなんかの為にここまでする事無いのにな。」

…ちょっと待て?俺にこれを着て出かけろと?