【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

龍也のヤツ…こんなに変わるとは思わなかったよなぁ。

聖良さんには人の心を優しくする事の出来る何かがある。

動物って言うのはそう言う所を敏感に感じる事が出来るんだ。

龍也が変わりつつあるのは良い事だと思うし、あの性格はオレが一番心配していた事だから、この先も聖良さんが龍也を支えて変えてくれる事には大いに期待したいと思っている。

この色っぽい週末行事が無ければオレだって聖良さんの来てくれるのはすげ~楽しみなんだけどなぁ。

お~いオレの立場にもなってくれよ。

僅かな抵抗を試みてカリカリと隣りの部屋との壁を引っかいてニャアニャアと鳴いてみると、ちょっとは静かになったようだ。
オレは夜行性だからおまえ達の声を無視して寝ようと思っても無理なんだよ。目も耳も夜になると余計に敏感になっちまうからなぁ。

ん?龍也が何かボソボソ言っているみたいだな。なんだ…?



バンッ!ドタドタドタッ…バタン☆



いきなり隣りの部屋のドアが空いたと思ったら俺の閉じ込められていた小部屋のドアが勢いよく開いた。

ようやくこいつも俺の気持ちを分かって、イチャつくのを止めてくれたのか。

あぁ、よかった。これでやっとあの声から解放…。

「アッシュおまえ外に出ろ。」

…………ハイ?