【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

「違…わないけど、聖良が俺を誘ったのが悪…っふがっ!」

「誘っていませんっ!そーゆぅ事を誰かに聞かれたらどうするんですか!もうっ。」

慌てて龍也先輩の口を塞いでみたけれどその手は彼の大きな手に掴まれて、グイッと強い力で引き寄せられる。

「誘っているって。自覚がまったくねぇんだな。」

そのままギュッと抱き締められて形の良い薄い唇が降りてきた。
吐息が唇にかかってそれだけで身体が熱を帯びてしまうのを気付かれるのが恥ずかしくて、身体を引こうとしたけれど逆に腰を引き寄せられてしまった。

「どうせ口を塞ぐなら唇でにしてくれよな?出来ればとびきり甘いのでさ…。」

軽く触れる優しいキスがあたしの意識を溶かしていく。

あたしの反応を確かめながら徐々にキスを深くしていく龍也先輩にまるで催眠術にかかったように身体が動かなくなってしまうのはいつもの事。彼はそれをわかってやっているから始末が悪い。

それがわかっていても逃げられなくて、いつも彼の思うがままになってしまう自分が悔しいんだけど、あの笑顔でニコッと笑われてそれ以上に何かを言える女の子がこの世に存在するなら会ってみたいと思うわ。