「きっと素敵な思い出になるでしょうね。いつか子ども達と一緒にここへ来た時に、今日の日の事を懐かしく話すんです。たくさんの思い出を作りましょう。先輩とたくさんたくさん時を重ねてたくさんの思い出を作って、心の中にアルバムみたいに綴っていくんです。あたし達の未来の為に。」
「未来…俺の未来には聖良がいつも笑っていてくれるのかな?」
「あら?今日は随分弱気ですね?どうしたんですか?」
「どうしたのかな。きっと久しぶりにこんなに綺麗に満開になった桜の下で花見をしたからかな?正直母親がいなくなってから、桜は苦手になっていたし、この場所にはあえて近寄らなかったからな。」
龍也先輩の心の傷は、未だに癒える事無く血を流し続けている。
以前よりは少しずつ癒えてきていると龍也先輩は言うけれど、まだまだ傷は深くて、先輩の心の真奥を蝕み続けている。
あたしにあなたの傷を軽くする事が出来たらいいのに…。
「あたしはずっと傍にいますよ。あのね、あたし龍也先輩に誕生日のプレゼントがあるんです。受け取ってもらえます?」
「プレゼント?聖良が傍にいてくれたらそれでいいのに。」
朝からずっとプレゼントを渡すタイミングを待っていたあたしはようやくそのきっかけを見つけて少し心が軽くなった気がした。
だから怪訝な顔であたしを見詰める龍也先輩に、クスリと余裕のある笑みを見せる事が出来たのかもしれない。
「そのお願いを叶えるプレゼントですよ。」
「未来…俺の未来には聖良がいつも笑っていてくれるのかな?」
「あら?今日は随分弱気ですね?どうしたんですか?」
「どうしたのかな。きっと久しぶりにこんなに綺麗に満開になった桜の下で花見をしたからかな?正直母親がいなくなってから、桜は苦手になっていたし、この場所にはあえて近寄らなかったからな。」
龍也先輩の心の傷は、未だに癒える事無く血を流し続けている。
以前よりは少しずつ癒えてきていると龍也先輩は言うけれど、まだまだ傷は深くて、先輩の心の真奥を蝕み続けている。
あたしにあなたの傷を軽くする事が出来たらいいのに…。
「あたしはずっと傍にいますよ。あのね、あたし龍也先輩に誕生日のプレゼントがあるんです。受け取ってもらえます?」
「プレゼント?聖良が傍にいてくれたらそれでいいのに。」
朝からずっとプレゼントを渡すタイミングを待っていたあたしはようやくそのきっかけを見つけて少し心が軽くなった気がした。
だから怪訝な顔であたしを見詰める龍也先輩に、クスリと余裕のある笑みを見せる事が出来たのかもしれない。
「そのお願いを叶えるプレゼントですよ。」



