【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

食事の後片付けをしている時に聖さんが聖良に言った。

「聖良。今夜龍也が泊まっていくからな。おまえ襲われないように気を付けろよ。」

その言葉に思わず苦笑する。
誰が襲うように仕向けてるんだよ。


「……お兄ちゃんったら、龍也先輩はそんなことしないもん。」

確信めいた聖良の言葉に思わず声を失ってしまう。
そう言われると俺が何のために頑張っているのかって意味が半減してしまうような気がするんだが。

「…ぇ…あの、聖良…。」

思わず声まで裏返ってしまう。聖良分かってるのか?俺はおまえが欲しいんだけどなぁ。


「まったくもう!お兄ちゃんがそんな事言うなんて信じらんない!龍也先輩は紳士なんだからねっ。あたしのこと大事にしてくれているんだから。」

大事にはしているよ。
でも何時までも紳士ではいたくないんだけどな。

「お兄ちゃんのバカ!だいっきらい!!」



ありゃ…聖さん相当凹んだな今の言葉で。


怒りに任せてテーブルの上にあった聖さんのウィスキーを一気に煽ると派手な音を立ててドアを閉めて出て行く聖良。

あいつ…今聖さんのウィスキーをストレートで一気飲みして出て行ったよな。大丈夫なんだろうか。部屋で倒れてるんじゃないか?

聖さんの頭に聖良の大嫌いって言葉が石化して刺さっているように見えるのは俺の幻覚だろうか。

めり込みまくっている聖さんも気になるが、酒を煽って出て行った聖良が倒れているんじゃないかってそっちのほうがすげぇ気になる。


ごめんな聖さん。

ちょっと聖良の様子見てくるから…。


俺はそっと部屋を抜け出し、聖良の元へと向かった。