【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

……なんだって?


初めて聞く事実に唖然とする。高校生にもなって何も知らないなんて…ありえるのか?

それって俺の純粋培養のせいなんだろうか?


「おかげで大変ですよ。変な知識を教えたがる周りの奴らから聖良を護るのは。」



苦笑しながら、でもその言葉には愛しさが込められていて…。



「聖良には真っ白でいて欲しいんですよ。ずっと綺麗な心のままでいて欲しい。」



龍也はこんなにも聖良を理解して大切にしてくれているんだと安堵せずにいられない。



「…まあ、俺の理性もあの殺人的天然スマイルの前には砕けっぱなしで、そろそろやばいんですけどね。でも、やっぱり聖良の心の準備が出来るまでは待たないとダメでしょうからね。」



おまえに聖良を任せるよ龍也。おまえなら信頼できそうだ。聖良を大切にしてくれるだろうし決して裏切ったりしないだろうと思う。



「でも、感謝していますよ聖さんには。聖良を大切に護ってあんなに純粋に綺麗な心のままに大人になってくれるなんて奇跡です。聖良に出会えたから俺は人間に戻れたんだ。
無くしていた笑顔とか、心に閉じ込めていた感情とかを素直に表現できる人間にようやくなりつつある。
聖良がいなかったら俺は一生頭のいい多少綺麗に出来た人形みたいなものでしたよ。
俺が今の聖良に出会えたのは聖さんのおかげです。本当にありがとうございました。」



胸が熱くなる。
龍也なら、聖良の全てを任せても大丈夫だと俺の中に確信めいたものが生まれて背中を押してくれた。