「龍也さ、聖良のどんな所が好きなんだよ。あいつ危なっかしいだろ?付き合っていて疲れないか?」
「いや、全然。むしろ癒される。」
…聖良に癒されるって…こいつ結構懐が深いかもだな。
「そうか?あいつは大変だぞ?俺が純粋培養しちまったせいもあるが、世の中に悪い奴はいないと思っているところがある。簡単に悪徳商法とか引っ掛かるタイプだし、自分から厄介ごとを拾ってきかねないぞ。」
「承知済みですよ。」
まるで今日の天気でも聞かれたかのようにサラリとそう言ってグラスに口をつける龍也。
こいつは結構大物かも知れないと思ってしまうのは俺が酔っているんだろうか?
「おまえさ聖良にまだ手を出していないんだろう?」
龍也が口をつけていたグラスをいきなり噴出してむせ出した。
あ~あ、気管に入ったらしい。涙目になってやがる。
そんなに動揺するなんて思わなかったよ。さっきまでのポーカーフェイスは一体何処へ行ったんだろうな。
「龍也。おまえ聖良をかわいいと思うだろ?」
「ケホッ…ケホ……思います。…コホッ…」
「本気で惚れてんのか?」
「はい。本気です。…聖良は俺に忘れていたものを教えてくれた。俺にとって聖良はなくてはならない存在だと思っています。」
「…じゃあ、なんで手ぇださないんだ?」
「…出して欲しいんですか?」
「ぁあ?んな訳ないだろう。ただ、俺だったら半年も我慢できねぇだろうなって思ったからさ。」
「あははっ。聖さんすげぇストレート。」
屈託のない笑い声を聞き、初めてまだ少年だと感じる。
こいつは胸に重いものを抱えて一人で耐えているのかもしれない。だったら合点が行く。
こいつのやたらと大人ぶった冷静な視点も妙に相手の出方を見て落ち着いて話す事も何より自分を見せまいと心をしっかりガードしている事も。
聖良がその心の重圧を少しでも和らげて安らぎを与えているんだろう。
「いや、全然。むしろ癒される。」
…聖良に癒されるって…こいつ結構懐が深いかもだな。
「そうか?あいつは大変だぞ?俺が純粋培養しちまったせいもあるが、世の中に悪い奴はいないと思っているところがある。簡単に悪徳商法とか引っ掛かるタイプだし、自分から厄介ごとを拾ってきかねないぞ。」
「承知済みですよ。」
まるで今日の天気でも聞かれたかのようにサラリとそう言ってグラスに口をつける龍也。
こいつは結構大物かも知れないと思ってしまうのは俺が酔っているんだろうか?
「おまえさ聖良にまだ手を出していないんだろう?」
龍也が口をつけていたグラスをいきなり噴出してむせ出した。
あ~あ、気管に入ったらしい。涙目になってやがる。
そんなに動揺するなんて思わなかったよ。さっきまでのポーカーフェイスは一体何処へ行ったんだろうな。
「龍也。おまえ聖良をかわいいと思うだろ?」
「ケホッ…ケホ……思います。…コホッ…」
「本気で惚れてんのか?」
「はい。本気です。…聖良は俺に忘れていたものを教えてくれた。俺にとって聖良はなくてはならない存在だと思っています。」
「…じゃあ、なんで手ぇださないんだ?」
「…出して欲しいんですか?」
「ぁあ?んな訳ないだろう。ただ、俺だったら半年も我慢できねぇだろうなって思ったからさ。」
「あははっ。聖さんすげぇストレート。」
屈託のない笑い声を聞き、初めてまだ少年だと感じる。
こいつは胸に重いものを抱えて一人で耐えているのかもしれない。だったら合点が行く。
こいつのやたらと大人ぶった冷静な視点も妙に相手の出方を見て落ち着いて話す事も何より自分を見せまいと心をしっかりガードしている事も。
聖良がその心の重圧を少しでも和らげて安らぎを与えているんだろう。



