「ただいまぁ。」
語尾にハートが付きそうな位機嫌のいい聖良の声。しっかりと手をつないて龍也と部屋に入ってくる。
手ぇくらい離せよ。お兄様の前だろう?
眉間に皺を寄せ機嫌の悪い顔でふたりをチラッと見ると『仲の良い事で。』と嫌味ったらしく言って手にしたウィスキーのグラスを煽る。素直に楽しかったか?なんて聞いてやらねぇし。
「お兄ちゃんもう飲んでるの?いやだぁ。絡まないでよ?」
「一杯しか飲んでねぇし…コンくらいじゃ酔わないって。」
「そうかな。まあいいわ。今夜はイヴだし。」
ご機嫌な聖良は俺の機嫌の悪さなど気にしてもいない様子でアイスショーの様子を身振り手振りで聞かせてくれる。夢中で目をキラキラさせて話す聖良。こういう所は子どもの時から変わっていない。
「スッゴイ楽しかったよぉ。行かせてくれてありがとうね、お兄ちゃん。」
幸せそうな満面の笑み。悔しいけど聖良にこの笑顔をくれたのは俺じゃなくて龍也なんだよな。
「これ、お兄ちゃんにクリスマスプレゼントよ。」
聖良が俺に差し出したのは小さな赤い箱だった。
「俺に?聖良が選んだのか?」
「うん、龍也先輩と一緒にね。男の人の好みって分からないから一緒に選んでもらったの。」
龍也が一緒に選んだと言う所が引っ掛かったがとりあえずリボンを解き中身を見てみることにした。
「へぇ…名刺入れか。イタリアのブランド物じゃないか。高かったんだろう?」
「お兄ちゃんが持っていても恥ずかしくないものをあげたかったから…。それにそれならいつも持ち歩くでしょう?お兄ちゃんが一人で海外に行っても淋しくないように身につけていられるものにしたかったの。気に入ってくれた?」
「ああ、ありがとう。すげぇ気に入った。いい色だな。ネイビ―ブルーって奴だな。」
「良かった。龍也先輩がお兄ちゃんにはこっちの色が絶対良いって選んでくれたの。あたしは普通の黒いのを見てたんだけど。」
「へぇ…。」
チラッと龍也を見ると少し困ったような表情をしていた。きっと俺が気分を悪くすると思ったんだろう。
こいつにいじけていると思われたくはないな。
語尾にハートが付きそうな位機嫌のいい聖良の声。しっかりと手をつないて龍也と部屋に入ってくる。
手ぇくらい離せよ。お兄様の前だろう?
眉間に皺を寄せ機嫌の悪い顔でふたりをチラッと見ると『仲の良い事で。』と嫌味ったらしく言って手にしたウィスキーのグラスを煽る。素直に楽しかったか?なんて聞いてやらねぇし。
「お兄ちゃんもう飲んでるの?いやだぁ。絡まないでよ?」
「一杯しか飲んでねぇし…コンくらいじゃ酔わないって。」
「そうかな。まあいいわ。今夜はイヴだし。」
ご機嫌な聖良は俺の機嫌の悪さなど気にしてもいない様子でアイスショーの様子を身振り手振りで聞かせてくれる。夢中で目をキラキラさせて話す聖良。こういう所は子どもの時から変わっていない。
「スッゴイ楽しかったよぉ。行かせてくれてありがとうね、お兄ちゃん。」
幸せそうな満面の笑み。悔しいけど聖良にこの笑顔をくれたのは俺じゃなくて龍也なんだよな。
「これ、お兄ちゃんにクリスマスプレゼントよ。」
聖良が俺に差し出したのは小さな赤い箱だった。
「俺に?聖良が選んだのか?」
「うん、龍也先輩と一緒にね。男の人の好みって分からないから一緒に選んでもらったの。」
龍也が一緒に選んだと言う所が引っ掛かったがとりあえずリボンを解き中身を見てみることにした。
「へぇ…名刺入れか。イタリアのブランド物じゃないか。高かったんだろう?」
「お兄ちゃんが持っていても恥ずかしくないものをあげたかったから…。それにそれならいつも持ち歩くでしょう?お兄ちゃんが一人で海外に行っても淋しくないように身につけていられるものにしたかったの。気に入ってくれた?」
「ああ、ありがとう。すげぇ気に入った。いい色だな。ネイビ―ブルーって奴だな。」
「良かった。龍也先輩がお兄ちゃんにはこっちの色が絶対良いって選んでくれたの。あたしは普通の黒いのを見てたんだけど。」
「へぇ…。」
チラッと龍也を見ると少し困ったような表情をしていた。きっと俺が気分を悪くすると思ったんだろう。
こいつにいじけていると思われたくはないな。



