【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

時計の時間はもうすぐ7時。


あいつ約束の時間に遅れないだろうな。


俺はソファーに座り込んで昨日からの出来事を反芻するように思い出していた。

1年ぶりに帰ってきて久しぶりに見た聖良は俺でさえ見惚れるほど綺麗になっていてすっげぇビックリした。原因が彼氏が出来た為だと分かって思わずムカついて彼氏を家に呼ぶように言ったのは自分でも大人気が無かったかもしれないとは思う。

だけどさ俺は聖良が5才の頃から必死に父親代わりを努めてきたんだ。たった14才で母親と聖良を護ると決意して、父の墓前に誓った日の事を俺は絶対に忘れない。

優しくて純粋で危なっかしい聖良。俺が大切に護りすぎたせいもあってあいつはどうも世間に対して寛大な考え方を持っている。
一番悪徳商法とかに引っ掛かりやすいタイプかもしれない。

俺のかわりにしっかりと聖良を護ってくれるような男で無いと聖良と付き合うなんて認められない。

ただ好きだからとかそんな中途半端な気持ちの奴となんか聖良を付き合わせる訳にいかないんだ。

高校生にそこまでを望むのは難しいって分かってる。だからこそいい加減な気持ちで付き合っているんだったら早めに諦めてもらったほうが良いんだ。

大体高校生の恋愛なんておままごとみたいなもんだ。
一時本気で好きだと熱くなっているが現実にぶつかるとすぐに対処できなくなって逃げるのがオチなんだ。

だから、海外から帰国した妹を溺愛している兄が恋人を見定める為に家に連れて来いと言ったとなると、高校生くらいの男なんてビビるか、逃げるだろうと思ったんだ。
妹を溺愛している兄のいる家に足を踏み入れたい男なんて先ずいないだろうと思っていたから。

もし、家に来ても睨みを効かせて聖良に相応しくないような男なら今後聖良に近づけないように釘を刺すつもりでいたんだ。