今日のデートは無理だと思っていた俺にとって昨夜の響からの電話は俺にとって天の助けだった。
『亜希を誘おうとコッソリ買っていたチケットがあるんだけどあいつが留学しちまって一緒に行く相手もいないしおまえにやるよ。もっと早く教えてやれば良かったんだけどすっかり忘れていたんだ。』
その言葉を聞いて少し胸が痛んだが、響はもう大丈夫だと笑っていた。
何にしろこれで聖良を堂々と誘うきっかけが出来たと言う訳だ。響には感謝だな。
問題はこの兄上様のご機嫌だけだ。
昨夜のうちに聖良には電話しておいたんだがまだ聞いていなかったようだ。
機嫌を損ねるとまずいから話さなくてもいいと俺は言ったけど、聖良はタイミングを見て機嫌が良さそうなら話してみると言っていた。
聞いていないと言う事は昨夜はあまり機嫌が良く無かったって事だよな。
今夜は荒れ模様になりそうだと覚悟を決める。
不安そうに俺を見上げる聖良に、心配するなと目で語りかけるように微笑む。
そんな俺達を聖良の兄はじっと睨むように見つめていた。
「ダメですか?売り出しと同時に完売したなかなか手に入らないチケットなんですよ。」
「お兄ちゃん。行ってきてもいいでしょう?」
「…なんで昨夜のうちに話さなかったんだよ。」
「先輩から電話があったのは10時過ぎだったしお兄ちゃんお酒飲んでたじゃない。そんなお兄ちゃんにデートに行きたい何て言ったらどうなるかわかってるもん。」
…酒癖が悪いのか?厄介な兄さんだな。
「…っ、そりゃおまえ、大切な聖良に彼氏が出来てクリスマスを一緒に過ごしたい何ていわれたら俺だって凹むにきまってんだろうが。娘を嫁にやるような心境なんだぜ?」
「お兄ちゃん気が早すぎ。」
「心境の問題だ。誰ももう嫁に出すなんて言ってねぇ。…って言うか嫁になんか行かなくていいから。」
俺をギロッと睨んでくる。
なんだかこの兄さんの気持ちが手に取るように分かってしまって何もいう気になれない。
わかっちまうんだよなぁ。聖良がかわいくて心配で仕方が無いんだろうな。本当に。
『亜希を誘おうとコッソリ買っていたチケットがあるんだけどあいつが留学しちまって一緒に行く相手もいないしおまえにやるよ。もっと早く教えてやれば良かったんだけどすっかり忘れていたんだ。』
その言葉を聞いて少し胸が痛んだが、響はもう大丈夫だと笑っていた。
何にしろこれで聖良を堂々と誘うきっかけが出来たと言う訳だ。響には感謝だな。
問題はこの兄上様のご機嫌だけだ。
昨夜のうちに聖良には電話しておいたんだがまだ聞いていなかったようだ。
機嫌を損ねるとまずいから話さなくてもいいと俺は言ったけど、聖良はタイミングを見て機嫌が良さそうなら話してみると言っていた。
聞いていないと言う事は昨夜はあまり機嫌が良く無かったって事だよな。
今夜は荒れ模様になりそうだと覚悟を決める。
不安そうに俺を見上げる聖良に、心配するなと目で語りかけるように微笑む。
そんな俺達を聖良の兄はじっと睨むように見つめていた。
「ダメですか?売り出しと同時に完売したなかなか手に入らないチケットなんですよ。」
「お兄ちゃん。行ってきてもいいでしょう?」
「…なんで昨夜のうちに話さなかったんだよ。」
「先輩から電話があったのは10時過ぎだったしお兄ちゃんお酒飲んでたじゃない。そんなお兄ちゃんにデートに行きたい何て言ったらどうなるかわかってるもん。」
…酒癖が悪いのか?厄介な兄さんだな。
「…っ、そりゃおまえ、大切な聖良に彼氏が出来てクリスマスを一緒に過ごしたい何ていわれたら俺だって凹むにきまってんだろうが。娘を嫁にやるような心境なんだぜ?」
「お兄ちゃん気が早すぎ。」
「心境の問題だ。誰ももう嫁に出すなんて言ってねぇ。…って言うか嫁になんか行かなくていいから。」
俺をギロッと睨んでくる。
なんだかこの兄さんの気持ちが手に取るように分かってしまって何もいう気になれない。
わかっちまうんだよなぁ。聖良がかわいくて心配で仕方が無いんだろうな。本当に。



