【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

何かにやっと気付いたと言った表情の聖良。

「そう言う意味だったのね。お兄ちゃんったら。」

呆れたように溜息と共に唸る聖良。なにやらご立腹の様子だ。

突然の聖良のセリフと行動に訳が分からずついていけない。キスをしようとした聖良の手を握り締めたままポカンと聖良の様子を眺め、この手をどうするかなどと間抜けな事を考えていた。

俺のテンションはすっかりラブラブモードに入っているんだけどな、聖良。このままこの手にキスをして続き…って訳にいかないのかな?



いきなり素に戻らないでくれないか?



マジで凹みそうなんだけど…。
それでも何とか平静を保って普段どおりのポーカーフェイスで問いかける。



「なんだよ。急にどうしたんだ。」


「さっきお兄ちゃんがあたしに聞いたんです。あたしが先輩とどうにかなっているんじゃないかって。あたし意味がわからなくて…そしたらさっき先輩が言ったのと同じ事言ってた。『男と女が付き合ってたら自然にそうなるだろうが』って。それってお兄ちゃんあたしたちがそう言う関係なのかって聞いていたって事ですよね?」



…。聖良の兄は俺に圧力をかけているんだろうか


でも、明日聖良の兄に会うのならここで今どうにかなるのはやっぱりまずいよな。
せっかくここまで玉砕しそうな理性を必死に保って頑張ってきたんだ。あと少し我慢して聖良の兄にちゃんと貰い受けてからでも遅くない。


「聖良、そんなに怒るなよ。まだどうにかなった訳じゃないだろ?お兄さんには明日堂々と聖良を貰うって宣戦布告してやるよ。俺、もう聖良を手放せないし…。どうしても俺のものにしたいから、絶対にお兄さんに認めてもらってやるよ。」


聖良が安心するようにと満面の笑みで聖良に答える。


大丈夫、聖良のためならどれだけだって強くなってやるさ。


たとえ相手が聖良の兄でも、俺は聖良を失う訳にはいかないんだ。



握り締めたままの聖良の手に誓いのキスをして俺は心に刻んだ



絶対に…認めさせてやるから。