【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

「やっ…先輩。耳ダメ」

「聖良。可愛いよ。もっと甘い声だしてみせて?」

「や、です。恥ずかしい。」

先輩がまた、あたしにキスをしてきた。

でも今度はさっきみたいに優しくはなかった。

唇を強く吸って、軽く甘噛みすると誘うように唇を舌で割ってくる。

一瞬開いた唇の隙間から先輩の温かい舌が入り込んできた。

身を捩って避けようとしても、先輩にしっかり抱きしめられて、片手で後頭部を固定されているから顔を背けることも出来ない。


貪るような長いキス。


唇が離れる一瞬に何とか息を繋ぐあたし。

そんなあたしを見てクスクス笑いながら先輩は何度も「聖良…好きだよ…。」って言ってくる。



それって殺し文句だよ。



先輩みたいなカッコイイ人に至近距離でそんな事いわれたら、抵抗なんて出来るわけない。

「聖良は俺のこと好き?キスされてこんなに感じてるんだから嫌いじゃないよな?」

……かっ、感じてるって……?

なにそれ?


このゾクゾクした身体を駆け抜けるような感覚がそうなの?


先輩を嫌いかって聞かれるとそうじゃないけど…。


でも…好きかって聞かれると、よくわかんない。



あたしの気持ちって…?