【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

つられるように思わず微笑んでしまう自分はきっとこの上ないくらい幸せな顔をしているんだと思う。
ずっと忘れていた笑顔。誰かを愛しく思って微笑む事。こんな些細でとても大切な事を聖良は俺に思い出させてくれた。
この微笑をどんな事をしても俺の手で守ってやりたい。

俺がこれから話すことを聞いた後でも聖良は変わらずこの笑顔を俺に向けてくれるんだろうか。

不安がまったく無い訳ではない。

今まで暁と響しか知らなかった事。いや、あのふたりにでさえ話していない俺の胸の内をこれから聖良に話そうとしているのだから。

俺の話を聞いて聖良がどう思うか少し不安だったが、このまま何も語らずにお兄さんの前で堂々と恋人を名乗るというのはなんだか納得いかないんだ


ある意味俺の心の闇の部分を聖良の前に曝け出す事になる。俺には一種の賭けでもあるわけだ。
だけど、きっと聖良はわかってくれる。こんな俺を受け入れてくれる筈だと信じたい。


聖良は俺がただ一人心を許してもいいと信じた女なんだから。