待ち合わせの場所で聖良を待つ事5分。思ったよりもずっと早く彼女はやってきた。
「龍也先輩もう来ていたんですか?まだ、15分しか経っていないですよ?」
聖良は30分はかかると言ったのだからゆっくり来れば良かったのだが、何となく落ち着かなくて予定より随分早く着いてしまったんだ。あの電話の後ほとんどすぐに部屋を出たと言ってもいいかも知れない。
部屋にひとりでいるのは落ち着かなかったんだ。
「聖良こそ、随分早かったじゃないか。」
「お兄ちゃんに近くまで車で送ってもらったんです。一緒に来そうな勢いだったんですけど、ついて来たら絶交だって言ったらようやく諦めて帰ってくれましたよ。」
「本当に帰ったのかな?どっかそのへんで変装でもして隠れて見てるんじゃないか?俺がお兄さんだったらそうするかもな。」
冗談めかして言ってみるが実はかなり本気だったりする。
俺が聖良の兄貴なら絶対に相手の男がどんな奴か確かめたいと思うから…。
「ヤダ!そんなことしたらお兄ちゃんと本当に口聞いてあげないもん。」
ぷうっと膨れる聖良を見ると思わず笑みがこぼれてしまう。聖良の頬を人差し指でつつくとそれまでの膨れっ面は何処へやら、ふわっとした幸せそうな笑顔で俺に微笑みかけてくる。
この笑顔に俺はどれだけ救われてきたんだろう。
「龍也先輩もう来ていたんですか?まだ、15分しか経っていないですよ?」
聖良は30分はかかると言ったのだからゆっくり来れば良かったのだが、何となく落ち着かなくて予定より随分早く着いてしまったんだ。あの電話の後ほとんどすぐに部屋を出たと言ってもいいかも知れない。
部屋にひとりでいるのは落ち着かなかったんだ。
「聖良こそ、随分早かったじゃないか。」
「お兄ちゃんに近くまで車で送ってもらったんです。一緒に来そうな勢いだったんですけど、ついて来たら絶交だって言ったらようやく諦めて帰ってくれましたよ。」
「本当に帰ったのかな?どっかそのへんで変装でもして隠れて見てるんじゃないか?俺がお兄さんだったらそうするかもな。」
冗談めかして言ってみるが実はかなり本気だったりする。
俺が聖良の兄貴なら絶対に相手の男がどんな奴か確かめたいと思うから…。
「ヤダ!そんなことしたらお兄ちゃんと本当に口聞いてあげないもん。」
ぷうっと膨れる聖良を見ると思わず笑みがこぼれてしまう。聖良の頬を人差し指でつつくとそれまでの膨れっ面は何処へやら、ふわっとした幸せそうな笑顔で俺に微笑みかけてくる。
この笑顔に俺はどれだけ救われてきたんだろう。



