【長編】Love Step~冷血生徒会長×天然娘の恋愛初心者ステップアップストーリー~

いつか…とは思うけれど、そんな風に言われるとやっぱり動揺を隠せない。

どぎまぎしながら言葉を探していると、更にあたしを追い詰めるように『ダメ?』と聞いてくる。

ずるいよ。龍也先輩の子どもみたいな綺麗な瞳にその綺麗な顔で言われたら、誰だって簡単に堕ちちゃうでしょう?

あたしが困っているを楽しんでいるような先輩の表情(かお)。

何だか悔しいな。いつもいつもこうして先輩の手の平の上で遊ばれているみたいで。

たまには先輩も困ってみて欲しいな。

少しイジワルな答え方をしたくなって思い切って先輩の首に手を回すと耳元に唇を寄せた。耳を軽く噛むようにして息を吹きかけてみる。龍也先輩があたしにいつもするように…。

驚いたような龍也先輩の顔。

何だかその表情が嬉しくてもっと驚かせてみたくなる。


「それって…ただ抱きしめているだけなんですか?」


何だか大胆な事言っていると思う。これじゃあたしが誘っているみたいじゃない?


「どうかな。聖良はどうしたい?俺はもちろん抱きしめる以上が良いんだけどな。」


クスクスと笑う先輩の声に心臓が爆走しているのがわかる。恥ずかしいのに、何故か自然にそうなってもいいと思えた。