薔薇姫-バラヒメ-


なんていうか…彼にはすごく、暗闇が似合っていた。


彼を照らす淡い光が、彼をより引き立たせている。



…って、分析してる場合じゃないっ!!


「…あ、あなたが月の使者?」


緊張しながら話しかけると、彼は少し口を開き、すぐ閉じて、今度はゆっくりと開いた。


「…まぁ、そんな感じで」


…そんな感じで?


曖昧だなぁ…。


「で…あたしに何のようでしょうか」


すると、彼はにっこりと笑った。


「メイさまを、お迎えに」


「………お迎え?」


はい、と彼は頷く。



…ちょっと待ってよ。


何であたしの名前知ってるの!?



食い入るように、あたしは再度彼を見つめる。


上から下まで見ても…文句のいいようがないくらい、かっこいい。


その金髪…


もしかして…