「ゼミとか講義には慣れてもよぉ…卒業には慣れねぇや」

「俺もだよ。毎年出席してるのにな…こればっかりはどうも…」



俺達はもう一度洗顔し、トイレを出た。



「最後に何の話するか決めたか?」

「決めてないよ。まぁいつもと変わらず普通のゼミ…かな。特別なこと言わなくたってあいつらは大人だからわかってるはず…」



二人でゼミ生が待つゼミ教室に向かう。



「泣くんじゃねぇぞ!」

「お前もな!」



お互いの肩を叩き、それぞれの教室へと入っていった。


「お待たせ〜!…あれっ?」



電気はついているのに…肝心のみんなの姿がない。