傷付け合うわたしたち

 

「そうなんだ……」


思いきり動揺しながら、それを悟られまいと静かに相槌を打つ。


「どうして一緒に行くことになったの?どっちから誘ったの?映画行って、どうだった?後藤くんに何か言われた?」


……ど、どうしよう?なんて答えたら……


「お願い、これだけは答えて。答えてくれないと、Bちゃんが可哀想だよ……」


「……そうだよね、わかった。ちゃんと答えるね」


「ありがと、ハナちゃん。それで、どっちから誘ったの?」


「えーと……。
本当はさっちゃんと二人で映画行く約束してて、わたし、その映画の前売り券持ってたんだ。
そしたら後藤くんがその前売り券をみて「オレもその映画見たかったんだ」って言って……」


しどろもどろ話し出すわたしに、すかさずツッコミが入る。


「じゃあ、後藤くんから誘ってきたの?」


「うん」


「やっぱりそうなの?」


「うん……あ、でも、「もう一人誘って4人で行こう」ってわたしも言ったけど」


「え?なんで?」


わたしの一言一言に耳を傾けるBさん達。