傷付け合うわたしたち

 

「本当に偉かったね」


母親は先生と同じように言ってくれた。


そして、わたしが持って帰った上履きを捨てた。


「新しい上履きを買ってあげる」


母親はそう言うとすぐに、わたしを連れて買い物に出かける。


「もう「間違えて捨てた」なんて言わなくてもいいからね」


上履きを選びながら、母親は何度も何度もわたしにそう言った。



「負けるな!頑張れ!!」


そう言ってくれた母親に、


「わたし、大丈夫だよ」


元気よく答えた。


負けない。


絶対にくじけない。


母親の愛情の中で、わたしはそう思った。