傷付け合うわたしたち

 

家に帰って、母親に上履きの一件を話した。


教科書の時のように、心配かけたくない気持ちもあった。


でも、それ以上にわたしは不安だった。


外用の靴をはいて教室に入ったりと、校則違反もしてしまった。


今日は上履きが見つかったからよかった。
でも、見つからなかったらどうなっていただろう?


「物を大切にしなさい」といつも言っている両親が一生懸命働いて買ってくれた上履き。


「もし今度同じことがあって上履きが見つからなかったら、上履き買ってくれる?」


わたしは正直に、今までのことを全部母親に話した。