傷付け合うわたしたち

 

「ありがとうございます」


先生に言った。


「見つかってよかったね。もう間違えて捨てちゃダメだよ、ハナちゃん」


そう言ったBさんにわたしは悔しいのを堪えて言った。


「見つけてくれてありがとう。わたしの上履き古いから、わたしが間違えて捨てちゃったのかも。今度から気をつけるね」


本当に悔しかったけど。


でも、わたしが帰ろうとした時、先生が声をかけてくれた言葉。


「ハナ、偉かったぞ」


Bさん達にちゃんと「ありがとう」と言えてよかった、言ってよかったと、その時思えた。