傷付け合うわたしたち

 

「まだ上履き見つからないのか?」


帰りのホームルームの途中、先生がわたしに声をかけて来た。


「はい、見つかりません」


多分、Bさん達が隠したんだろうな……と思っていたわたしは、上履きなんか探さなかった。


悲しそうに探し廻る姿を見せたら、思うツボだ。


エスカレートするに決まってる。


「そうか」


先生は言った。


「誰かハナの上履き見た人いるか?」


教室が静かになる。


「……B達、どこかでハナの上履きを見なかったか?」


先生の言葉に、Bさん達が答える。


「わかりません」



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