傷付け合うわたしたち

 


上履きを隠された時、わたしは外用の靴のまま、教室に行った。



もちろん校則違反なのは知っていた。


「上履きどうした?」


聞いてくる先生に、


「昨日帰りに上履きをしまって、今日の朝来たらありませんでした」


と答えた。


「なんで無いんだ?」


「なぜ無くなったか、わかりません」


スリッパを履くか?という先生に、


「いいです。また靴が無くなったら困るので」


そんなやりとりを1日、いろんな先生とすることになった。


教科書の一件もあり、先生達から怒られることは無かったので、わたしは少し安心した。