傷付け合うわたしたち

 


姉はよく笑って、そしてよく泣いていた。


感情表現の豊かな姉は、たくさんの人に愛され、守られていた。


そして、たくさんの人を愛して、守っていた。


姉もまた、戦っていることがわかっていた。


わたしではどうしようも出来ないほどのことも、姉はなんとか解決する。


そんな姉の努力をわたしは見てきた。


「すごいな」、と思い、「大変そうだな」と思っていた。


そんなふうに頑張っている姉がひどいこと言われて、もっと大変になるほうが嫌だった。


「気にしなければいいや」


わたしはすぐその結論にたどりつく。


姉のように、強くなりたいと思えた。