それでも君を愛してる。




キンコンカンコーン


「結城雪月、至急視聴覚室まで来て。」



「来てって…。」


校内放送によって、聞き覚えのある声が自分を呼んでいる。


雪月は起こしたばかりの上半身を捻って、ポキポキと腰を鳴らした。


「頭いた。」


寝すぎたせいだろうか。


要約雪月は伏せた顔を持ち上げる。


そして渋々立ち上がると、重たい足を視聴覚室へと向けたのだった。


校内放送をまるで都合の良い電信機とでも勘違いしているのだろうか。


こういう事は今回で一度や二度では無い。


いい加減気まぐれで呼び出すのは止めてもらいたいものだ。