鈍感彼女と無口な彼氏 ★番外編★



「そんなんで死ぬわけないじゃない」



お母さんはため息を付きながら言った。


肩まで竦めちゃってオーバーリアクションだよ。


「それより何の用?」



首を傾げながら聞いてきた。


お母さん…あなた年なんだから若い子ぶらないで。



「浴衣着たいの。でも着方分かんなくて」


するとお母さんは眉間にシワを寄せて言った。


「えー。そんなのも分かんないの?美緒、本当に女の子?」





…あなたが産んだんでしょ?


もちろん女の子ですけど。



「しょうがないわね。お母さんが教えて差し上げましょう!」



「あ、うん。よろしく」



テンションが急に上がったり下がったりするからついていけないんですけど。



──────────…






「……」



「………」




「…ねぇ、お母さん?」



「ん?なぁに?」









「これ、何?」



「何って…帯」










…お母さん













「形きたなっ!!!!」



何これ!帯ってこんなんだったっけ?



帯って普通リボンの形してるよね?


これは一体…




「可愛いじゃない!」



可愛くねーよ!!!!




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