それでも私は恋してる




私は忘れられていたことにがっかりしながら、とりあえず教材室に入った。



目の前には昨日残したプリントがそのまま置かれていた。



「えっと…じゃあ私やりますね」



私はこの気まずさにはたえられそうになかったので

はやく仕事を終わらせようと思った。








でも…



思ったよりも量が多くて一向に終わりそうにない。



「神崎?」

「はい…?」

「7時だけど…」



またやってしまった。

しかもまだプリントは残ってる。

いったい何人分あるんだ?!

てか、どうしよう帰り…

さすがに今日は乗せてもらうわけにはいかない;

歩いて帰ろう…



「また明日続きしますね?じゃあさようなら!」



私はそう言って逃げるように教材室を出ていった。



「神崎!」



そんな先生の声も聞こえないほどに。