『麻野。』
エナゎ その腕を振り払おうとしたが
自分の名前を呼ばれて 足を止めた。

『…なに?』
『よくわかんねーけど美瑠花の話し聞いてやれよ。』
『…セナ君の前で…言えるワケないぢゃん。離して。』

セナゎ 黙って 手を離した。
エナゎ 一瞬 セナの顔を見て
美瑠花の横を素通りして
教室から 出て行った。

『…美瑠花。』

教室ゎ 沈黙に 包まれたまま
開いた窓からゎ 夕方の匂いをのせた
風が 入ってきた。

美瑠花ゎ 窓の淵に両手を乗せて
おもいっきり 深呼吸した後に

『あーーーーーー!!!!』

大声で 叫んだ。

『なんっなんっだよ!おまえは急に!ビックリすんぢゃねーかよ!』

美瑠花が セナの方を振り向くと
セナゎ 座っていた机から落ちていた。