Februaryの奇跡



突然、声をかけられ、
あたしの手は止まってしまった。

が、すぐにはっとなり、作業を始める。


「俺、あのコンビニでバイトしてるんだけど、知ってる?」


鏡越しに、笑いかけられ、あたしは戸惑ってしまう。


「は、はい…」

「そう、良かった」


良かったと言う三島さんに、胸がドキドキと高鳴る。


あたしのこと、覚えてくれてたなんて。

夢みたいだ。

夢なら、覚めないで下さい。


「三宅さんが来るまで、少しお待ち下さい」


そう言うと、三島さんは笑いかけてくれた。