Februaryの奇跡



「今日はどうしたんだよ?」

「んー、久しぶりに髪切ってもらおうと思ってさ」

「そか。じゃあちょっと待ってて。
西井、案内して」


いきなり声をかけられ、一瞬びくっとしてしまった。


「あ、はいっ。
お客様、こちらへどうぞ」


あたしはぎこちなく、三島さんを案内する。

あたしの意識は、後ろの三島さんに集中してしまい、
歩き方は変になっていた気がする。


「失礼しますね」


髪を切るために、タオルなど必要なものを体にかけていく。

その時、


「君さぁ、駅の近くのコンビニによく来るでしょ?」

「え?」