「さっちゃん」 横から聞こえた、優しい声。 急いで振り向くと、ゴミ箱の隣に立つ、茅くんがいた。 「ち、がや、くん…?」 びっくりして、 言葉を上手く発せられなかった。 「なん、で?」 「ん? 今日は早くバイト終わったんだよ」 そう言いながら、茅くんはあたしに近付く。 「さっちゃんは、俺に何か用?」 背の高い茅くんに見下ろされながら、問いかけられた。 「あ…えっと…」 あたしは上手く、説明することができなくて。 あたふたしていると、聞こえた声。 「俺は、さっちゃんを待ってた」 「え?」