ちゅんちゅん。 と、小鳥の囀りで起きた朝。 羽朶はベッドから降りて、鳥籠から出した鈴を窓から放った。 「ふぅ…。」 深呼吸して目を閉じれば、朝日を瞼越しに明るく感じた。 春風は桜を絡んで連れてくる。 「桜…。」 窓から手を伸ばせば、風は指の間を擦り抜けていった。 けれども高い位置の自分は桜を見下ろしていて、見えるのは下に咲いている満開の桜の木、ただ一面の桜色。 「たまには下に降りてみましょ。」 羽朶は決めると早速着替えて窓を開けっぱなしのまま部屋を飛び出して螺旋の階段を駆け降りた。