貧乏姫と金持ち王子




花火も線香花火だけになった。


悠翔さんが線香花火に火をつけてくれる。


私はしゃがんで線香花火を見つめた。


悠翔さんも隣なしゃがんで来る。



「雪……」


「ん?」



私は線香花火を見つめたまま返事した。



「今日はゴメンな……」


「気にしないで。お仕事だったんだから仕方ないよ。それにこうしてデート出来たんだし」



私は悠翔さんの方を見る。



「来年は絶対に一緒に行こうな」


「うん」



来年は一緒に行けるといいな。