貧乏姫と金持ち王子




下駄を履いてるから歩きにくい。


悠翔さんに手を引っ張られる格好で歩く私。



「下駄、履いてるから歩きにくいよ~」



私がそう言うと、悠翔さんが振り返り



「抱っこしてやろうか?」



って、笑いながら言ってきた。



「いっ!いい!」



こんなとこで抱っこなんて恥ずかしいよ。


私は頭をブンブン左右に振る。


悠翔さんは私の姿を見てクスクス笑う。


私は下駄を脱いだ。



「歩きやすくなった」



悠翔さんの隣に並ぶ。


砂が冷たくて気持ちいい。