貧乏姫と金持ち王子





「浴衣、可愛いね」



運転してる悠翔さんが、チラッと私の方を見て言った。



「ありがとう」



私は、悠翔さんの方を見て微笑んだ。



「そうだ!」



悠翔さんが、何か思い付いたように言った。



「どうしたの?」


「今日、遅くなっても大丈夫?」



その言葉に"トクン"と胸の鼓動が鳴った。



「あ、うん。お母さんに連絡したら大丈夫だけど……」


「良かった。後で、2人で花火しよっか?」


「2人で花火?」


「うん。飯食った後に、コンビニで花火買ってやろ?せっかく浴衣着てるんだしさ」


「うん」